赤ちゃん連れ海外旅行はありかなしか論争に勝手に決着。断然「あり」です。
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得るもののほうがずっと大きかった
一歳五ヶ月の息子くんを連れての3泊4日の台湾旅行を終えて、総括的な記事を残しておきます。
赤ちゃん連れの海外旅行については、賛否両論なことはもちろん理解しています。というか、特にネット上では反対論が多数派な印象です。
その理由としてよくあげられるのは、赤ちゃんに過度な負担を強いること、及び、どうせ本人は覚えていないのだから親の自己満足になるだけだ、ということでしょうか。
実際に旅に出てみて、反対派の主張も理解できるところはあるにしても、得るもののほうがずっと大きかったと感じました。
その理由をツラツラ書いていきます。
本人は超楽しんでる!!
何より、息子くん本人がすごく楽しんでくれました。
これはホテルのロビーに置かれていた牛の像ですが、謎にこれに虜になった息子くん。行こうよ、と声をかけてもなかなか離れてくれません。
ワンワン、ワンワン! と大興奮。
犬じゃねーよと思いつつ、その姿を微笑ましく感じます。
これはあくまで一例ですが、「そこに食いつくか!?」ってところに面白さを感じるらしく、見ている親にも新鮮でした。
特に鉄オタの息子くんにとっては異国の電車なんて垂涎モノです。台湾のメトロはとてもキレイで機能的で、息子くんだけでなく僕も楽しみました。
息子くん自身が自分が海外にいることを理解しているわけでは当然ないと思います。でも普段の世界とはなんか違うな、というのは感じ取っている気がします。
眠くなるとき以外はほとんど機嫌を損ねることもなく、ハイテンションで遊びまわっていました。
あとあと、これは信じてもらえないと思うんだけど、喃語が中国語に!
バカじゃね〜の?ってツッコミあるかと思いますが、ホントにそんな感じなんですよね。途中から、独り言のイントネーションとか舌の回し方が中国語なんですよ。
赤ちゃんのうちから外国にいると勝手にバイリンガルになると言いますが、僕はすごく納得しました。赤ちゃんのリスニング能力ってすごいな、と。
そんなこんなで、日常では味わえない楽しみや刺激が息子くんにあったかなと思います。
思いがけないコミュニケーションが生まれた
赤ちゃん連れで街を歩いていると、何度も中国語で道を尋ねられるようなノリで話しかけました。
ごめんなさい、中国語できないんです、と英語で答えると相手はびっくりします。
赤ちゃん連れの旅行者は珍しいのか、地元民だと勘違いされたようです。
僕も育児焼け(散歩です)でかなり黒くて海外研修のときもバンコクオフィスの人間に間違えられたり、妻も幾分エキゾチックな顔立ちなので間違えられる要素はあったのですが、それでも赤ちゃん連れでなかったらさすがにここまで頻繁に間違えられることはないはず。
こんな風に、突然観光客の立場から、間違いであっても地元民になる瞬間というのは、なかなか得難い経験です。
中国語をしっかり勉強していけば少しは会話できたのに、と心残りでした。
また、電車の中ではみんなとにかく親切で、ベビーカーを引いていると何度も席を譲ると声をかけてくれました。
日本では電車にベビーカーで乗るのは憂鬱でしかないんだけど、台湾では嫌な想いは一度もしませんでした。
観光客に対して親切にしようというバイアスはあるだろうけど、それを差し引いても赤ちゃんに優しい国なんだと感じました。
こういう触れ合いが生まれるのは赤ちゃん連れだったからで、日本の子育て環境を外から考える良いキッカケにもなりました。
ネットからの断然
ネット環境がこれだけ発達すると、ネットから自分を切り離すことが難しくなってきます。
特に仕事と育児を両立しようとすると、我が家の場合は残念ながら起きている間じゅう、機を捉えてメールチェックすることになります。
ワークライフバランスなんてものはなく、ワークライフミックスなので、帰宅後や休日であっても、例えば息子くんがちょっとオモチャで遊んでいる隙にメール返信なんてことが常態化してしまっています。
台北は無料WiFiが発達しているし、WiFiがなくとも多少のコスト覚悟でデータローミングすれば日本と同じ環境にできるのですが、今回はあえてそれをやりませんでした。
息子くんが起きている時間は機内モードを徹底し、WiFiにも接続しないルール。最初は不安でしたが、すぐに慣れました。それは海外だからこそ、割り切れたのだと思います。
ネットから切り離されて、すごく身軽になった気分でした。哲学者の東浩紀さんの「弱いつながり」では、ネットに常時接続することを推奨しています。(この本はいつものようにリンク貼りません。興味ある方は検索を。検索、がこの本のテーマのひとつです。)
でも僕は、TwitterからもGoogleからもFacebookからも仕事のメールからも離れて家族と過ごす時間が、これだけ濃密なのだと初めて実感を持ちました。
余談ですが、スマホってカメラとしてしか使わないと3日くらい電池持つんですね。
ネットがないと不便なことはたくさんあります。まったく予習しなかったので、電車やバスの乗り方は苦労しました。また食事もどこへ行ったらよいのかわかりません。
しかしそのぶん、ガイドブックと地元の人への質問だけで頑張るという昔ながらの旅行スタイルがかえって新鮮でした。ほんの十年くらい前まではみんなガイドブック片手に旅行してたはずなのに、スマホに取って代わられちゃいましたね。
話は少しそれましたが、家族で濃い時間を持つことができたのは、かけがえのない経験になりました。
なおこのブログは旅行中も毎日更新しましたが、息子くんが眠った後にホテルのWiFiでネット接続して更新していました。念のため。
他国の育児事情にすごく興味を持ち自分の育児を相対化するチャンス
日々目の前の育児に追われていると、毎日のあれこれをこなすだけで精一杯で、育児について考える余裕はなかなかありません。
しかし赤ちゃん連れ旅行者として異国を訪れていると、その国の育児事情についつい目が行くものです。
これは中山駅という、日本でいえば渋谷新宿のような繁華街の地下にあるブックストリートの一角です。
育児書のスペースがかなり膨大でした。これだけでなく、このようなスペースを持つ書店がいくつも並んでいます。
そもそも繁華街の地下に巨大な本屋街があるのに驚きだし、育児書の充実っぷりにさらにびっくり。
台湾では大学進学率が90%を超えるほど教育熱心で、大学では学歴として意味がないと観光ガイドが言っていましたが、その熱心さの表れのひとつなのかもしれません。
うちの息子くんには幼児教育など一切していなくて、鉄オタまっしぐらなわけですが、もし自分がこのような環境で育児をしていたらどうなっているだろうと想像してみるのは、思考訓練としては面白い。
教育観は自分の育ってきた環境に大きく左右されるもの。僕と妻の間でだって、かなりの隔たりがあります。
これは公開哺乳のポスターです。漢字だけ見るとなんぞや?と思いますが、日本人にしっくりくるだろう四字熟語を勝手に作ると、「公共授乳」になるかと。
要するに、公の場で母乳を授乳することに対してネガティブになるのはやめようというキャンペーンだと思います。
日本でも先日、外で母乳を授乳することの是非について議論が盛り上がっていましたが、同じような事情があるのかもしれません。
しかし上でも触れたように、台湾のほうが全体的に育児に対する世間の目は優しいように感じます。
これは女性のほとんどがフルタイムで働いていることも、当然関連することでしょう。
国際競争力IMDでは、台湾は日本より上位です。
日本も今は女性活用などを通じて競争力の上昇に躍起になっていますが、女性活用と一口に言っても簡単ではないなと、まあ当たり前のことを台湾で感じました。
ハードもソフトも、女性がフルタイムで働くための環境が、台湾と日本ではぜんぜん違うんですよね。
例えば公共施設におけるトイレの多さとか大きさとか、そういう細かい、でもわりと大事なところの違いに目が行きました。
リスクヘッジはしっかりと
良いことばかり書いてきましたが、もちろん大変なこともあります。そっちも書いておかないとアンフェアだと思うので、いくつか触れておきます。
怪我、病気など、万一のときのプランはしっかりと練っておく必要があります。国によっては医療費が高額になることもあるので、そのあたりの下調べとヘッジプランはしっかりと。
当たり前のことですが、常備薬は余分に持っていく、現地の病院を調べておく、保険には必ず加入する。赤ちゃん関係なく、海外に行く場合にやることですね。
それから環境が変わると食事がうまくいかなくなることも考えられます。今回は事前に買って持参したベビーフードをほとんど食べてくれなかったので、現地の食材でなんとかやりくりしました。そういう意味で、アジアは比較的赤ちゃんでも食べられる食材が入手しやすいかと思います。
食事に関連して、下痢にはなりませんでしたが、ウンチの頻度が上がりました。食事含めた環境変化の影響かもしれません。オムツは多めに持って行きましょう。現地調達もできますが、慣れたものがいいかと思うので。普段使いのものが入手できるならもちろん話は別ですが。
台北のショッピングモールでは、こんな風にオムツの自販機が置いてありました。自販機は日本メーカーでしたが、中身はローカルブランドです。
最後に、休息は十分取りましょう。赤ちゃんは楽しんでいるとはいえ、絶対に普段よりはストレスがかかっているはずです。無理なスケジュールは組まずに、あくまで赤ちゃんの体力に合わせて動きましょう。
大人だけで行く旅行に比べれば観光なんてほとんどできないと思います。でも観光が目的ではなく、日常から離れて濃密な家族の時間を持つことが目的だと考えれば、なんの問題もありません。
異国の公園でただただ子供と走り回る時間も、とても素敵なものですから。
おわりに
というわけで、機会があれば、赤ちゃん連れでの海外旅行、ぜひチャレンジしてみてください。
僕は今、一回ずつ移動距離をふやして行き、香港、バンコク、シンガポールと西へ西へと目的地を伸ばしていきたいと考えています。
まずは次回、香港実現させるぞっ(≧з≦)
Posted from するぷろ for iOS. by @kensuke0724